公共工事におけるアスファルト混合所の品質管理に関する合理化と、品質の安定化を図ることを目的とした制度で、アスファルト混合所から出荷するアスファルト混合物を、事前に第三者機関(官・学・民によるアスファルト混合物審査委員会)が認定することにより、従来の工事ごとに行っていた基準試験(配合設計などを含む)や試験練りなどを省略できる制度である。
本制度は、平成6年度に施行された関東地方整備局を皮切りに、現在では東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・九州の7 地方整備局と内閣府沖縄総合事務局が導入済みで、33
都府県およびその市町村が参画している。
また現在、522 カ所のアスファルト混合所が本制度に参加し、8,051 種類の混合物が認定を受けており、本制度が広く浸透しているものであると考える。
事前審査制度を導入している7地方整備局と内閣府沖縄総合事務局のうち、東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・九州の各地方整備局は、本制度における審査機関(「指定審査機関」)として、.道路保全技術センターを現在まで継続して指定されており、また北陸地方整備では、北陸技術事務所が「指定審査機関」に相当する業務を.道路保全技術センターが調査機関として業務を担当していた。
日本道路建設業協会では、道路保全技術センターの解散に伴う本制度の事業譲渡あるいは事業参加に関する事項を検討するため、常任理事会の下部組織として「協会運営検討小委員会」を設立し、「事前審査検討部会」の作業部会を設置し検討していた。
平成22年末、各地方整備局から「アスファルト事前審査制度審査機関」に係る公募が公示され、各地方整備局の公募に対して,日本道路建設業協会各支部が参加申請し、東北・関東・近畿・中国・九州の各地方整備局から「指定審査機関」の指定を受けた。また、中部支部は中部地方整備局から「審査事務局」の指定を受け、北陸支部は北陸地方整備局から調査機関業務の委託を受けて、本制度の運営として、日本道路建設業協会各支部があたることとなった。
本制度の基本は、混合所の自主管理によるアスファルト混合物の品質確保である。自主管理は、混合所が独自に定める「社内作業標準」に基づき行われることから、作業標準の内容が適正であるか、また、その作業標準書に基づき品質管理が実施され、管理記録が保管されているかを確認する。
確認は、立入調査部会員が年2 回混合所へ立ち入っての立会審査・立入審査時に行い、作業標準書の内容が不適切、管理記録が未整備、事前審査認定条件などの不備の混合所はアスファルト混合物の安定した品質確保と維持が懸念されるため、改善指導、助言を行い、指摘事項を混合所に通知し、是正を求める。
以上のように、現在施行されている本制度と変わりなく運営するものである。
本制度の運営にあたっては、審査が公平かつ公正であることが重要である。したがって、混合所に立ち入っての立会審査・立入審査を行う立入調査部会員の技術レベルの平準化、指定試験機関が実施する確認試験地の精度などの確認を行っていく。
また、日本道路建設業協会が本制度を運営していく場合に懸念される、公平性、透明性および信頼性の確保については、公平性、透明性は、日本道路建設業協会がアスファルト混合物の品質を認定するのではなく、現行どおり第三者機関である官・学・民による「アスファルト混合物審査委員会」の認定であることから確保できる。
信頼性については、各地方整備局から「指定審査機関・審査事務局」としての指定を受けている自覚のもと運営にあたる。
東北地区 | 022(796)8145 | 関東地区 | 03(6280)3945 |
中部地区 | 052(971)6200 | 近畿地区 | 06(6948)5022 |
中国地区 | 082(942)4396 | 九州地区 | 092(432)7731 |